アトピー性皮膚炎の患者さんの最大の悩みは「頑固な皮膚の痒み」だと思います。痒いからつらいし、痒いから病院を受診するのでしょう。さて、このアトピー性皮膚炎の痒みはどのように生じるのでしょうか?
痒みを引き起こす代表的な原因物質としてヒスタミンという化学物質が知られており、じんま疹の赤み・痒みなどにはヒスタミンが大きく関与しています。したがって、じんま疹の痒みに対しては抗ヒスタミン薬(2008/07/30)と呼ばれるヒスタミンの作用を抑制する飲み薬が効果的です。我々医師は、アトピー性皮膚炎の痒みに対しても抗ヒスタミン薬を処方することがあるのですが、残念ながら期待しているほどは効果がないことが多いようです。つまり、アトピー性皮膚炎の場合は、ヒスタミン以外にも痒みの原因があるということです。
さて、本題の「アトピー性皮膚炎の痒みを止める」というテーマに話を戻しましょう。現時点ではズバリ、「ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏(2008/08/26)をしっかり塗る」ということが治療の基本となるのではないでしょうか。上で述べたように抗ヒスタミン薬は決定的な効果を発揮するわけではないし、皮膚を冷やすなどの工夫も無駄にはなりませんがそれだけで痒みが全く無くなってしまうということもないでしょう。痒みに対する特効薬が開発されるまでは、皮膚の炎症を抑える作用がある外用薬をしっかりと塗って、湿疹を改善させるしかないでしょう。湿疹が改善すれば痒みも軽減してくるのです。
※アレルギー院内勉強会のお知らせ2月の勉強会のお知らせです。
2月21日(土)14時から
「スギ花粉症の予防と対策」
いよいよ花粉が飛び始めました。
スギ花粉症の患者さんにとっては毎年煩わしい時期です。
スギ花粉症とは何か、どんな治療法があるのかなどについてお話します。
当院に通院されていない患者さんも参加自由です。
また、園・学校関係者の方にもぜひ勉強していただきたいと思います。