我が国における小児気管支喘息治療・管理ガイドラインは2000年に刊行され、その後に改訂を重ねられ、現在利用されているものは2005年度版です。専門医によるアンケート調査によると、非専門医でもガイドラインを「知っている」医師が約80%、「(非常に)参考にしている」医師が約90%となっていますが、その実態には疑問があります。例えば、急性の発作時には気管支拡張剤(β2刺激薬)を20~30分おきに反復して吸入することが推奨されていますが、一般の診療において十分に実施されていない現状があります。その他、乳児喘息の診断・吸入ステロイド薬の普及・吸入指導・肺機能の評価など、多くの点においてガイドラインで示されている内容が実践されていない状況です。今後の変化に期待したいと思います。