人間の健康を障害する大気汚染物質としては、二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素などの窒素酸化物(NOx)、オゾン、様々な大気中粒子状物質などが挙げられます。
大気汚染で発生した健康影響事件としては、四大公害病の一つである「四日市喘息」が有名です。四日市喘息は、1960年代に三重県四日市市で咳や痰がらみ、喘鳴(ぜんめい)などの喘息症状をきたす患者さんが多発し問題となった事件で、石油コンビナートから発生したSO2やNOxが原因でした。
深刻化している中国の大気汚染におけるPM2.5(2.5μm以下の微粒子)の排出源は、工場、石炭、自動車の3つと言われていますが、どれがどれくらい関わっているのかは不明です。
最近注目されてきた大気汚染物質に、中国大陸から飛来する黄砂があります。
黄砂の主成分は二酸化ケイ素(SiO2、シリカ)のようですが、そこには中国で発生した大気汚染物質、硫酸イオン、硝酸イオン、微生物(カビや細菌)などが吸着しており、そのアレルギー疾患への影響が懸念されます。