今年も残すところ2週間となりました・・・。
今年度の外来診療を振り返ってみたいと思います。
赤ちゃんが生後1〜2ヶ月に湿疹を発症し、その後食物アレルギーになってしまうという典型的なパターンがあります。アレルギー専門医としては、この流れを防ぎたいわけですが、まだまだ一般には知られていないようです・・・。
保護者の方は訴えます。
「何の食べ物がアレルギー(湿疹)の原因になっているのか検査して欲しい」
まだまだ患者さんの頭の中は、「湿疹→食物」ではなく「食物→湿疹」のようであり、我々の説明も苦労します
すこやかアレルギークリニックの田中先生も、ブログ上でこの点を指摘しています。
『当院にたどり着くと、まずアトピー性皮膚炎があることを説明しますが、その次に今の流れをお話ししています。ここ最近触れている、アトピー性皮膚炎があり、「経皮感作」が起きて食物アレルギーが出てくること、湿疹をいち早く消し去る努力をしなければいけなかったこと、そうしないと食物アレルギーも悪化する可能性があることなどなどを説明しています。』(すこやかアレルギークリニックトピックス 2015/12/17)
もちろん、食物アレルギーが全て皮膚からくるわけではないかもしれませんし、食物の摂取が湿疹を悪化させる例が無いということでもありません。しかし、現段階では、患者さんは、「湿疹→食物」つまり、「赤ちゃんのアトピー性皮膚炎を放置すると、食物アレルギーになってしまう危険性が高まる」という理解をしていただいた方が、治療に取り組みやすくなるかと思います。