アレルギー児の診療をやっていて気になる疾患の一つとしてアレルギー性鼻炎があります。特に、喘息の患者さんを診るときには、鼻炎の合併が重要な問題となってくるのです。母親から鼻炎の相談をされることは少ないので、私から必ず質問します。「鼻の方はどうですか?」、「何か鼻の症状はありますか?」と。
そうすると意外とそれなりの反応が得られるものです。「いつも鼻水がグシュグシュしています。」、「たいてい鼻がつまっています。」、「くしゃみが多いです。」、「絶えず鼻をいじっています。」など表現はいろいろですが、大体パターンは決まっています。
今回の小児アレルギー学会においてもアレルギー性鼻炎に関する演題(発表)は一つもありませんでした。私は小児アレルギー領域を上から眺めるような立場の人間ではありませんが、このような傾向はここ数年非常に気になっていることです。日常の診療では乳児のアトピー性皮膚炎が数多く受診されますし、また学会では食物アレルギーの話題が豊富になっていますが、私自身の考えとしては、小児アレルギーの基本は気管支喘息であり、さらにはそれに関連するアレルギー性鼻炎という疾患は非常に重要なテーマだと認識して日々勉強させていただいております。