小児の気管支喘息では、ガイドラインにおいて高い治療目標が掲げられています。症状が全くない、余分な発作治療薬を必要としない、スポーツが普通に行える、肺の機能が安定しているなどです。そして、「寛解・治癒」という大きな最終目標があります。
ガイドライン(JPGL2012)中の喘息コントロール状態の評価のところで、「軽微な症状」という表現が出てきます。完全コントロールを目指すためには、ちょっとした症状さえも全くないことが望ましいということでしょう。
軽微な症状とは、「運動や大笑い、啼泣の後や起床時に一過性に見られるがすぐに消失する咳や喘鳴、短時間で覚醒することのない夜間の咳き込みなど、見落とされがちな軽い症状を指す。」と定義されています。
軽微な症状が残っているということは、気道過敏性が十分にとりきれていない、残存していることを示唆するわけです。軽微な症状が消失するまで治療を続けることが大切です。
*気道過敏性とは
様々な刺激に対して気道が収縮しやすいことであり、喘息患者のほとんどすべてに認められます。喘息の人は健康な人にとってなんでもないような刺激(冷気・花火やタバコの煙・香水の匂いなど)に敏感に反応して発作を起こします。