「自然寛解(しぜんかんかい)」ってどうなんですかね?
乳児・幼児早期の即時型食物アレルギーの主な原因である鶏卵、乳製品、小麦は、その後加齢とともに耐性を獲得する(3歳までに50%、学童まで80~90%)。
池松かおり 他. アレルギー 2006; 55: 533-41.
Ohtani K, et al. Allergol Int 2016; 65: 153-7.
Koike Y, et al. Int Arch Allergy Immunol 2018 in press
のように言われていますが、実は「ちょっと食べていたから治った」ということはないのでしょうか?
食べていたというのは、知らずに食べていたというのも含みます。
誤食しても症状が出なければ食べたことに気づかないこともあり得るわけであり、その繰り返しで治る方向に傾くという可能性はないでしょうか?
他院で完全除去を指示されてきた患者さんが受診されることはよくありますが、保護者に十分な問診を行うと、「実はちょっと食べてました」ということが少なくありません。前医には「怒られると思って言えませんでした。」とのこと・・・。
「自然寛解を期待してとりあえず完全除去の方針をとり、
それでうまくいかなかったら経口免疫療法を行う。」
この作戦について、少なくとも私は疑問をもっています。