『家族と専門医が一緒に作った小児ぜんそくハンドブック2008』(協和企画)は、喘息児をもつ保護者にお勧めのテキストです。最大の特徴は、発作時の対応の仕方や学校生活での注意点など患者さんや家族が本当に知りたいことにも重点をおいて記載されている点です。小児気管支喘息治療・管理ガイドラインに関連するレベルの高い内容も含まれていますが、わかりやすい表現で書かれています。公募で選ばれた患者委員(アレルギー児をもつ親の会の代表など)が内容の構成や執筆を担当しており、このような画期的な試みから患者さんの視点が十分に盛り込まれた診療ガイドラインが出来上がったと言えます。
喘息のような慢性の病気とつきあっていく場合には、患者さんや家族もある程度の勉強が必要になります。病気についてしっかり理解していないと、治療が長続きしませんし、よい結果が生まれません。ぜひともこのようなテキストを1冊は所持していただきたいと思います。