乳化とは、水と油のようにお互い混ざらないものが分離しないで結合している状態を指します。この乳化の目的で使用されるのが乳化剤です。したがって、乳化剤と牛乳とは全く無関係であり、「乳化剤」という原材料表示があっても、アイスクリームやヨーグルトなど乳製品に添加したものでなければ、牛乳アレルギーの患者さんが摂取することは可能です。乳化剤の種類としては、グリセリン脂肪酸エステル、大豆レシチン、卵黄レシチンなどが多く使用されています。
特殊な例ですが、時に「乳化剤(乳を含む)」みたいな原材料表示を見かけることがあり、患者さんは混乱するかもしれません。この場合は、おそらく乳化剤としてカゼインナトリウムを使用しているため、このような表示になっているのだと思われます。カゼインは主要な乳タンパクなので、そのナトリウム塩であるカゼインナトリウムは牛乳アレルギーの患者さんが避けなければいけないものということになります。
結論)
乳化剤は牛乳とは無関係なので、牛乳アレルギーの患者さんでも摂取可能です。ただし、「乳化剤(乳を含む)」という表示の場合は注意が必要です。