花粉のアレルゲンと果物・野菜のアレルゲンは、構造がよく似ているものがあり、その交差反応から食物アレルギーを引き起こすことがあります。喉が痒くなる、イガイガする、唇が腫れるなどの口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome;OAS)の症状を呈します。スギ花粉とトマト、ブタクサとメロン・スイカ・バナナなどの交差が知られています。
最近、成人の大豆アレルギー患者さんが増えていて問題になっています。当院にも今年だけで3-4人は受診されました。カバノキ科(ハンノキ・シラカンバ)花粉との交差反応により発症すると考えられており、豆乳摂取でアナフィラキシーを呈する患者さんもいます。原因タンパク質として、Gly m4が推定されています。
しかし、いろいろな患者さんをみてみると、豆乳だけに反応するパターン、様々な大豆製品に反応するパターン、大豆だけでなくバラ科(リンゴ、サクランボ、モモ、ナシ、イチゴ、プラム)その他の果物・野菜にも反応するパターンなど、バリエーションが豊富です。おそらく、Gly m4以外のタンパク質にも反応している患者さんがいるのでしょう。
一口に「成人の大豆アレルギー」と言っても多様性があり、未解明の部分が多いわけです。