チリダニが関与するアレルギー疾患にはどんなものがあるでしょうか。ダニ(実際には、ダニのフンや死がいです)が皮膚に付着すればアトピー性皮膚炎の症状が悪化すかもしれませんし、また、ダニを吸い込めば喘息の発作が起こるかもしれません。これらは患者さんもイメージしやすいようです。
しかし、チリダニが関与するアレルギー疾患はこれだけではなく、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎の原因にもなります。特に、1年を通して症状が出るタイプ(通年性;perennial)ではダニやハウスダストが大きく関わっている場合が多いようです。これまでにも何回かお話してきましたが、ダニ・ハウスダストアレルギーによる小児の通年性アレルギー性鼻炎は侮れないものがあります。小学生くらいになるとかなり症状が悪化しており、いろいろと薬を使用しても簡単には鼻づまりが改善しないのです。おそらく1-2歳くらいに発症しているのだと思いますが、中には3-4歳くらいでもかなり重症化している患者さんを見かけることがあり唖然とします・・・。
チリダニではなく貯蔵庫ダニが原因ですが、「ダニを食べてアナフィラキシーを起こす」という信じられないようなアレルギーもあります。よく聞くのは、使い古しの開封された粉を使用して作ったお好み焼きを食べてアナフィラキシーを起こしたという話です。ダニの繁殖を防ぐためには、開封後の粉類は密閉して冷蔵庫に保管するのが安全かもしれません。