朝晩が少し肌寒いと感じる気候となってきており、小児喘息の患者さんにとっては発作を起こしやすい季節です。喘息発作が秋に多い理由はなぜでしょうか。喘息の患者さんは気候の変化に敏感です。前日と比較して気温が5℃以上低下すると明らかに喘息発作が増えるというデータもあります。台風などによる気圧の変化も喘息発作の引き金となるように思われます。ただし、これらの気象の変化と喘息発作との関係に関する医学的なデータは必ずしも十分ではありません。暑い夏に繁殖したチリダニの死骸や糞が秋になると飛び散り、発作を引き起こすのではないかとも言われています。確かに重要な原因の一つではあるでしょう。最近重要視されている発作要因の一つとしてウイルス感染があります。特に、ライノウイルスと呼ばれる風邪のウイルスは、春と秋に流行し高率に喘息を悪化させると考えられています。
いずれにせよ、気道過敏性(2008/9/25)が亢進した不安定な状態の患者さんは様々な発作誘因の影響を受けて喘息発作を起こしてしまう危険性があります。しっかりと治療を継続して発作のない安定した状態を保つように心がけたいものです。