前回(2012/10/21)のブログで吸入ステロイド薬について、
「なんでこんなに効果がある薬なのに使用しない医師が多いのだろうか?」
という疑問をもったという話をしました。
喘息患者実態電話調査(Asthma Insights & Reality in Japan:AIRJ)によれば、吸入ステロイド薬を使用していると答えた小児患者さんは、2000年調査で5%、2005年調査で8%、そして最新の2011年調査で20%と増加してきました。10年間で喘息治療の基本的な薬である吸入ステロイド薬の使用率は4倍に増加し普及が進んでいるものの、欧米に比べるとその使用率は低く、まだ不十分であると評価されているのです。
必ずしもすべての喘息患者さんに吸入ステロイド薬が必要というわけではありません。どのような患者さんにどのタイミングで処方するのか?、どれくらいの量をいつまで使用するのか?、などが問題になってくるのだと思いますが、喘息の気道炎症を強力に抑制する薬として有効に活用したいものです。
*AIRJ(Asthma Insights & Reality in Japan:エアジェイ)とは?
日本の喘息患者さんの治療の現状や生活への影響を調査したもの。これまで、2000年(AIRJ2000)、2005年(AIRJ2005)、2011年(AIRJ2011)が行われている。