喘息の薬の使い方を知る上で最も大切なのは、発作を起こした時に使用する薬と発作を予防するために使用する薬(長期管理薬)の区別を覚え、どの薬をどのような時に使用するのかはっきりわかるようにすることです。
予防のための薬と言っても、そもそも「予防」という言葉の意味が患者さんにはわかりにくいようです。何か他のことに例えて説明すれば理解しやすくなるかもしれません。例えば、毎日の歯磨きは虫歯を予防するためにやっている行為であり虫歯になってしまってから急にやるものではありません。吸入ステロイド薬のような長期管理薬は歯磨きみたいなものだと説明するとわかりやすいようです。
「発作を起こした時だけ治療すれば簡単なのに・・・」、「何でわざわざ毎日予防的な治療を続けなければいけないのか?」、「ずっと薬による予防的な治療を続けるのは副作用があるのではないか?」など様々な疑問が湧いてくるかもしれません。医療者側としては、薬の使い方を指導する前に、喘息とはどういう病気なのか、なぜ予防的な治療が重要になってくるのかなどについてしっかり説明しなければいけないということでしょう。