先日、「ヤマイモを食べてアレルギー症状が出た」という乳児が受診されました。まずは、「ヤマイモを与えたんですか・・・」と保護者にたずねてしまいました。なぜなら、通常ならヤマイモは離乳食で用いるような食品ではないと思ったからです。しかし、インターネットで調べてみるとヤマイモは離乳食に利用しやすい食品のように説明されています・・・。次に、「ヤマイモが皮膚に付いて症状が出たのではなく、食べたことによって症状が出たのですね」と質問させていただきました。顔面に付着したとかではなく、食べたら顔全体が赤く腫れあがったということでした。吐いたり、咳き込んだりすることはなかったようです。今回は、血液検査やプリックテスト(皮膚テスト)で確認していませんが、ヤマイモアレルギーが考えられました。いずれは検査してみるつもりです。
アレルギー専門医なら必ず経験しているのは、低年齢児のイクラアレルギーです。1-2歳の、時には1歳以下の乳児にイクラを与えてアナフィラキシー症状を起こしてしまうパターンです。救急受診された際に、「イクラのアレルギーは増えているんですよ」とか、「イクラはあまり小さなお子さんに与えるべき食品ではないかもしれませんね」と説明すると、保護者はひどく落胆される様子となります・・・。
「アレルギーが多い食品=離乳食に相応しくない」というわけではないかもしれません。鶏卵・牛乳・小麦は3大アレルゲンと呼ばれる食品ですが、乳児に卵黄やヨーグルト、うどん等を与えてはいけないなどということはないはずです。ただし、アトピー性皮膚炎などのアレルギー体質がある乳児では3大アレルゲンも注意して与えるべきでしょう。やはり伝統的な食材である、お粥、野菜、白身魚、豆腐などが基本となるのでしょうか。生ものは食中毒などの衛生的な面で好ましくありません。エビ・カニとか、ソバとか、ナッツ類とかは普通は乳児には与えないでしょう。上記のイクラも止めた方がいいと思いますし、タケノコなどのアクのある野菜も避けるべきだと思いますがどうなんでしょうか。あくのある野菜で離乳食によく用いるのはホウレンソウくらいでしょうか。もう少し勉強しないとダメなようです(汗)。
離乳食は、栄養・消化の面、衛生面、アレルギーの面など様々な観点から食品を選択していかなければいけないのです。