近年、エリスリトール等の甘味料によるアレルギーの症例が報告されています。
中には、アナフィラキシー症例も含まれます。
今年5月の日本アレルギー学会春季臨床大会では、甘味料による即時型アレルギーの全国調査の結果が示されました。
内訳はエリスリトール16例、キシリトール10例、ステビア、アセスルファムK、ソルビトールが各2例、スクラロース、サッカリン、ガラクトオリゴ糖、マルチトールが各1例(重複あり)となっています。
現段階における要点
1) エリスリトール等の甘味料の一部は原因不明の食品摂取後の繰り返す即時型アレルギー反応の原因の可能性として考慮すべきである。
2) エリスリトール等の一部の甘味料は加工食品の表示でカバーし切れていない場合があるので、「アレルギー物質を含む食品表示」等での行政上の対策も考慮が必要である。
キシリトール、ステビアなどの食品添加物は、JAS法に基づき、加工食品の原材料名への記載が義務付けられている。しかし、食品に分類されるエリスリトール、ガラクトオリゴ糖などは、原材料名としての記載を省略できる場合がある。
3) 低分子物質であるエリスリトールが、抗原性を獲得した機序は不明である。
(ハプテン仮説等があるが、肥満細胞直接刺激の可能性もある)
4) プリックテスト陰性例があるので、診断には注意を要する。