食物アレルギーの即時型症状の救急受診において、乳児では新規発症が多いのですが、それ以降の年代では誤食が多いとされています。「誤食」とは文字通り、「食べるとアレルギー反応が出るとわかっている食物を誤って摂取してしまうこと」ですが、そのパターンは、児が勝手に口にしてしまった、兄弟姉妹や祖父母が誤って与えてしまった、コンタミネーション・表示ミスによる誤食、園や学校における誤食など様々であり、またこれらのいくつかが組み合わさっている例もあるかと思います。
誤食というといかにも、「保護者の不注意」みたいに感じるかもしれませんが、それは食物アレルギーにあまり詳しくない人の感じ方であって、上記した園や学校における誤食のように保護者の目の届かないところで起きる例も少なくないのです。小中学校に続いて保育所におけるアレルギー対応のガイドラインも発表されたので、今後は誤食の予防や事故発症時の対応が進んでいくことが期待されます。
よく思うのは、誤食事故を繰り返す例はやはり重症例が多いのではないかということです。気をつけて生活しているのにもかかわらず少量の誤食に強く反応してしまう・・・、そのような例は不注意とかそういう問題ではなくてやはり重症な患者さんなのではないかと思うのです。