第2世代抗ヒスタミン薬は、アレルギー性鼻炎のくしゃみ・鼻水、蕁麻疹、皮膚炎の痒みなどに対する治療薬としてアレルギー診療において頻繁に使用される薬です。その第2世代抗ヒスタミン薬に新たなラインアップが2剤登場します。一つは、アレロックの口腔内崩壊錠である「アレロックOD錠」で、もう一つは、ジルテックの光学異性体である「ザイザル」です。
新しいと書きましたが、アレロックOD錠の方は従来からあるアレロックの剤形追加であり、薬剤そのものの作用が変わるわけではありません。OD錠(Orally Disintegrating;口腔内崩壊錠)とは何かと言えば、その名の通り口の中ですぐに溶けて、水を飲まずに服用できる薬のことです。これまでにも抗ヒスタミン薬のOD錠として、クラリチンレディタブ錠、エバステルOD錠、タリオンOD錠などがありましたが、アレロックはクラリチン同様に7歳の小児からの適応となったので非常に便利な薬剤となりました。つまり錠剤を飲み込むことが苦手なお子さんにも問題なく使用できるわけです。味はパイナップル味となっていますが、後味に若干の苦みがあります(汗)。気にならない人は気にならない程度の苦みだと思います。
さて、ザイザルの方ですが、こちらの方は新しく登場する薬と言ってよいでしょう(ただし、ヨーロッパでは2001年から販売使用されています)。ジルテックという抗ヒスタミン薬の活性部分のみを取り出したもので、特徴としてはジルテックより効果が強く副作用は低下しているということです。こちらも7歳以上の小児で使用できるので期待しています。