食物経口負荷試験とは、どんな検査なのでしょうか?
「食物アレルギー診療ガイドライン2012」では、以下のように述べられています。
『食物経口負荷試験(oral food challenge test, OFC)は、食物アレルギーの最も確実な
診断法であり、確定診断(原因アレルゲンの同定)、および耐性獲得の確認を目的として実施する。誤食時のリスク評価や安全摂取可能量を決める目的で実施される場合もあるが、アナフィラキシーのような重篤な症状が誘発される恐れがあるので専門施設で行われることが望ましい。』
食物経口負荷試験(以下、負荷試験)は、国内では2005年頃から急速に普及していったように見えますが、初期には「確定診断」において果たした役割が大きかったように感じます。つまり、私たちは負荷試験を通して、「特異的IgEが陽性でも食べられることがある(負荷試験陰性)」ということを身をもって知ったのです。
その後は、「耐性獲得の確認」において活躍しました。乳児期に発症した、鶏卵・牛乳・小麦等のアレルギーが2-4歳くらいの段階で治ったかどうかを確認するために、数多くの負荷試験が行われたのです。この役割は、現在も大きく変わってはいないでしょう。
そして最近では、経口免疫療法への研究的な取り組みも行われるようになり、あえて誘発症状が出現するとわかっている患者さんに対して負荷試験を実施することも増えてきました。
ガイドラインでは、「症状誘発リスクの評価」と表現されています。ただし、この目的で負荷試験を実施する場合は、アナフィラキシーのような重篤な症状が誘発される恐れがあるので専門施設で行われることが望ましいと注意書きが記載されています。
負荷試験は最も確実な食物アレルギーの診断法であり、また、私たちがこの検査を通して食物アレルギーの即時型症状やその対処法を学んできたことは間違いないでしょう。