米国アレルギー喘息免疫学会(AAAAI)は、米国内科専門医認定機構財団(ABIM Foundation)が行う「Choosing Wisely(賢い選択)」と題されたキャンペーンのリストを更新し、新たな10項目を示しました。
不要な検査や治療を減らし、医療費削減や患者さんの身体的および精神的負担の軽減を目指すのが目的です。全てが我が国にそのまま当てはまることかどうかわかりません。また、医師側も「必要な検査」「意味のある検査」ということで過剰に診療を制限されのは不本意です。ただ、時代とともに新たなEBM(科学的根拠)が構築されてきているわけですから、「もうちょっと考えて検査や治療薬を選択してください」ということなんでしょう。頑張ります(汗)。
AAAAIが発表した「リスト」は以下の10項目です。
①アレルギーの評価においてIgG検査や非特異的IgE検査など,有用性が証明されていない診断のための検査を行わない
②合併症のない急性鼻副鼻腔炎に鼻部CTや漫然とした抗菌薬の投与を行わない
③慢性蕁麻疹患者に診断のための検査をルーチンに行わない
④ワクチン接種による抗体上昇の障害が明らかでない限り,反復性の感染症に対する免疫グロブリン補充療法を推奨しない
⑤スパイロメトリーを用いることなく喘息の診断あるいは管理を行わない
⑥重度のアレルギー反応への1次治療として抗ヒスタミン薬を重用しない
⑦IgE依存性の食物アレルギーの可能性を示す一貫した既往がない患者に特異的IgE検査を行わない
⑧放射性造影剤(による検査)が必要なシーフードアレルギーの既往を有する患者に対し,低浸透圧あるいは等浸透圧造影剤の使用,あるいは副腎皮質ステロイドや抗ヒスタミン薬による前治療をルーチンに行わない
⑨卵アレルギーの患者に対するインフルエンザワクチン接種をルーチンに中止しない
⑩ペニシリンアレルギーの既往を有する患者に対し,適切な評価を行うことなく非βラクタム系抗菌薬を安易に使用しない