アレルギー性鼻炎の根本的な治療法としてアレルゲン免疫療法は古くから実施されてきました。わが国では長く「減感作療法」などとも呼ばれてきました。
私も、スギ花粉の治療用標準化エキスを用いたアレルゲン免疫療法は続けて実施しており、患者さんの7-8割はその効果に満足して下さっています。
『かなり症状が楽になった』、『内服薬だけでしのげるようになった』と話される方が多く、全く効果がなかったという患者さんはこれまで一人も経験がありません。完全に花粉症が治ってしまうわけではないでしょうが・・・。
アレルゲン免疫療法によって、アレルギーが完全に治癒しなければいけないのでしょうか? もちろん医師も患者さんも治すこと、治ることを期待しているわけですが、治らないのであればアレルゲン免疫療法を実施する意味はないのでしょうか? 現在の方法だと100%の治癒は難しいというだけであり、症状が改善している患者さんがそれなりの満足感を得ていることに疑う余地はありません。やればやっただけのことはあるということです。