前回、抗ヒスタミン薬(こうヒスタミンやく、Antihistamine)は、くしゃみ・鼻水、蕁麻疹、痒み等の症状を抑える薬であるというお話をしました。
この薬の用途を上の3つの症状に分けて整理すると覚えやすいでしょう。
1)くしゃみ・鼻水
花粉症やアレルギー性鼻炎のくしゃみ・鼻水に対して使用します。
花粉症のときに最初に処方される薬はたいてい抗ヒスタミン薬です。
2)蕁麻疹(じんましん)
蕁麻疹はヒスタミンの作用により誘発されるので、抗ヒスタミン薬が第一選択となります。
中には抗ヒスタミン薬が効きにくい蕁麻疹もありますが、その蕁麻疹にヒスタミンが関与していないというわけではありません。
3)痒み
アトピー性皮膚炎や虫刺されの痒みに対して使用します。
ただし、アトピー性皮膚炎の痒みは複雑であり、ヒスタミンだけが痒みの
原因ではありません。したがって、「抗ヒスタミン薬を内服すればアトピー
性皮膚炎の痒みがピタリと治まる。」というわけにはいきません。