毎年、11月頃から年明けにかけてはアトピー性皮膚炎の初診の患者さんは減少します。保護者の方も「病院で他の子供から風邪をうつされるのではないか」などいろいろと心配されるのかもしれません。当院の場合は、喘息やアトピー性皮膚炎の患者さんが多いので、他の小児科と比較すると感染症は少ないですが・・・。
1月の末になってくるとアトピー性皮膚炎の乳児の初診が徐々に増加してきます。先週も3-4名の乳児が新たに受診されました。「うちの子はアトピーなのでしょうか?」、「ほっぺたが血だらけでどうしてよいのかわかりません。」、「顔にステロイドを塗ってもよいのでしょうか?」、「痒がって眠れないので可哀そうです。」、「私(母親)が卵や小麦を普通に食べてもよいのでしょうか?」など、母親の悩みや訴えは共通しています。『普通の治療』を行えば、最初の1-2回の受診で湿疹は著明に改善します。問題はいかにして良い皮膚状態を維持していくかということです。ポイントは、1)当初の抗炎症療法をしっかりと行うこと。要するにすぐにステロイドを中止したりせずに、皮膚がスベスベになるまで塗り続けることです。2)その後も、ステロイドは徐々に減量していきます。さらには、何もないように見える皮膚に対しても週に1-2回の治療を続けると湿疹のぶり返しも少なくなります。3)最終的に湿疹が治まった状態になったとしても、保湿剤の塗布は休みなく続けることが重要です。
やることは決まっているのですが、これらのポイントをいかにして患者さんに伝えるか、いかにして理解していただくか、そしていかにして実践していただくかということに力を注いでいます。