アトピー性皮膚炎はどのようにして発症していくのでしょうか?すべてが完全に解明されたわけではありませんが、アレルギー的な側面と皮膚のバリア機能低下の2つが重要であると考えられています。今回は、皮膚のバリア機能低下について説明します。皮膚には、さまざまな刺激や細菌などの外敵から体を守るとともに、体から水分が蒸発しないようにする「バリア機能」が備わっています。アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚では、このバリア機能の低下が認められ、そのため悪化因子(細菌、ダニなど)が侵入する一方で、水分は蒸発し皮膚の乾燥につながります。治療を行う際も、アレルギーうんぬんに悩むより、「皮膚のバリア機能低下を改善させるんだ」と考えた方がシンプルです。