「調子が悪い時(ゼーゼーする等)だけ吸入ステロイド薬を使っている」
という患者さんが、ときどき初診されます。
当然、十分な症状コントロールは得られません。
小児気管支喘息のガイドラインによれば、少なくとも3か月は良好な状態を
維持すべきであると書かれています。コントロール状態「良好」が3か月以上
維持できたらステップダウンを検討しましょうということになっているのです。
しかし、実際には気管支喘息患者さんの気道過敏性はそんなに短期間で改善
するものではありません。吸入ステロイド薬を開始すると、気道過敏性は
すとんと低下するのですが、一般人に近い程度まで改善するのには年単位
かかるという印象があります。
私は、神奈川県立こども医療センターで数多くの気道過敏性検査を実施して
きましたが、目立った発作がなく見た目が安定していているような患者さんでも
若干の気道過敏性がしつこく残っているのをみてきました。
どれくらいの期間吸入ステロイド薬を続ければいいのかは難しい問題です。