蕁麻疹の種類にはいろいろありますが、外来で相談が多いのは特発性蕁麻疹(急性蕁麻疹、慢性蕁麻疹)でしょう。発症してからの期間が1 カ月以内のものを急性蕁麻疹、1 カ月以上経過したものを慢性蕁麻疹と呼びます。直接的なきっかけも無く自発的に蕁麻疹が出現するタイプであり、ウイルスや疲労、ストレスなどが誘因になっているようです。
「毎晩のように蕁麻疹が出る。もう2週間続いている。」
「抗ヒスタミン薬を内服していると蕁麻疹が出ないが、中止するとすぐに出る。
このような状態が3ヶ月間くらい続いている。」
蕁麻疹の患者さんの約7割は「特発性」というだけあり、このような訴えで当院を受診される患者さんは週に数人いるかもしれません。
その中で、「蕁麻疹=アレルギー」と考えている患者さんは多く、「血液検査で何のアレルギーなのか調べて欲しい」と希望されるパターンは頻繁にみられます。
しかし、特に思い当たる誘因もないのに連日出現する蕁麻疹や、抗ヒスタミン薬に対する反応が良好な蕁麻疹では、スクリーニング的に多くの項目についてアレルギー検査を実施する必要はないと思われます。アレルギーは無関係ではないかということです。