たいていの病気は、早めに見つけて拾い上げて治療介入を施すことが
重症化を防ぎ、良い結果につながると考えられます。
気管支喘息(以下、喘息)やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患でも、
自閉スペクトラム症などの発達障害でも早期発見、早期介入が
重要視されているのです。
しかし、早期に診断しようとすればするほど過剰診断のリスクも
高まります。喘息ではないのに喘息の治療薬が処方されたり、
発達障害とは言えないレベルのお子さんで病名をつけられたりすることが
あるのです。
そういう過剰診断を避けるために、「専門医が慎重に診断しなければならない」
などと言われるわけですが、むしろ専門医の方が過剰診断しがちなのです。
難しい問題ではありますが、医師が一つの疾患をしっかりコントロール、制圧しようと
取り組むとき、いったん過剰診断に傾くのはやむを得ないのかもしれません。
悪化してから治療するというパターンを避けたいからです。
紆余曲折して、最終的に良い頃合いに落ち着くのだと思います。