ツロブテロール貼付薬は皮膚に貼付後24時間血中濃度が維持される経皮吸収型の気管支拡張薬です。商品名であるホクナリンテープ®は患者さんにもよく知られた薬剤であり、これこそが本家本元のツロブテロール貼付薬です。似たようなツロブテロール貼付薬が数種市販されており、ときどきこれらの製剤を貼付している患者さんを見かけますが、注意していただきたいのはこれらの製剤はホクナリンテープ®と製法が異なるため本来の持続的な気管支拡張効果が期待できないということです。総じてこれらの製剤は急激な血中濃度の上昇パターンをとり、また比較的早期に血中濃度の低下がみられてしまうようです。これでは長時間作用性β2刺激薬とは言えないでしょう。
ホクナリンテープ®がゆっくりと長く作用するしくみは「結晶レジボアシステム」という構造のおかげです。ホクナリンテープ®で採用されている「結晶レジボアシステム」には特許権があり、まだその権利が消滅していないので、まだ各製造メーカーはホクナリンテープ®を全く真似てツロブテロール貼付薬を製造することはできないのです。とにかく現段階では、「経皮吸収型の長時間作用性β2刺激薬」という呼び名通りの薬剤を選択したいのならばホクナリンテープ®を使用すべきでしょう。気管支拡張作用があれば何でもいいじゃないか!、と考える人がいるなら別ですが・・・。