鶏卵アレルギーの特徴の一つとして、加熱による抗原性の低下が挙げられます。
簡単に言い換えれば、加熱によってアレルギーが出にくくなるということです。一般的に知られていることだと思っていましたが、意外と理解していない患者さんもいるようです。外来では基礎的な部分から説明しなければいけないのかなと反省しています・・。
卵白タンパク質のうちオボアルブミンは加熱処理によって変性し、抗原性が低下します。つまり、生卵を食べてアレルギー症状を発症する患者さんでも、加熱変性した卵加工食品や固ゆで卵を食べることができるということはあり得るわけです。
一方、卵白タンパク質の約11%を占めるオボムコイドは加熱による抗原性の低下は少ないとされています。したがって、オボムコイドに対してアレルギー反応を示す患者さんでは、加熱された卵加工食品でもアレルギー症状を発症する可能性が高いので注意が必要です。
たぶんこのブログの読者にとっては十分わかっていることなのでしょう。