2014/4/10 日本経済新聞
塩野義製薬は今年秋までに、ダニが原因となるアレルギー性鼻炎の治療薬について厚生労働省に製造販売承認を申請する。体内で免疫をつくって症状を緩和させたり完全に治したりできる国内初の免疫療法薬となる見通し。早ければ来年にも承認を取得、発売したい考えだ。同鼻炎薬は国内でも年間数百億円規模の市場があるとされ、主力製品に育てる。
アレルギー性鼻炎はスギ花粉が主な原因だが、最近では家の中などで増えるダニで発症することが問題になっていた。ステロイドなどが治療に使われているが、一時的な効果しかなく、副作用などもあった。
塩野義が申請するのは体内にある免疫を使う治療薬で、アレルギー成分を舌の裏側に投与、吸収させて免疫力を高める。アレルギーの症状を弱めるだけでなく、最終的には根治も可能という。
塩野義は仏製薬会社、スタラジン社から治療薬の成分や合成技術などを使う権利を取得。国内で販売するために臨床試験を実施、このほど有効性を確認した。国内では鳥居薬品が今年1月、スギ花粉によるアレルギー性鼻炎治療薬の製造販売承認を取得している。