1歳くらいの小さなお子さんの場合、ぜん息(気管支喘息)であるかどうかの診断はなかなか
難しいものです。しかし、小児のぜん息は、1-3歳くらいで発症してくることが多いので、
我々医師は何とか診断しようと努力します。
咳込みが主体で喘鳴(ぜんめい)がはっきりしない症例もありますし、そもそもこの喘鳴というのがやっかいで、ぜん息かどうかわかりにくいことはいくらでもあります。
空気の通り道のどこかが狭いと喘鳴が生じるのだと思いますが、鼻の奥がつまっていたり、喉に痰がからまっていたりするだけでもブーブー、ゼロゼロという音が聴こえますので、喘鳴=ぜん息
というわけではありません。ぜん息の喘鳴は、主に息を吐くときに強く聴かれるゼーゼー、ヒューヒューという比較的高い音です。
どの時点で、ぜん息としての治療を開始するのかも悩ましい点です。少なくとも、何回も喘鳴を繰り返しているのにもかかわらず、診断や治療が曖昧なまま放置することだけは避けたいです。