前回の続きです。これで最後にします。
経口免疫療法をやって治ることはあるのか?という疑問に関してですが、
まあ正解はないでしょうね。なぜなら、経口免疫療法の定義自体にいまだ明確な
ものが存在しないからです。
一応、食物アレルギー診療ガイドライン2016には、
経口免疫療法とは「自然経過では早期に耐性獲得が期待できない症例に対して、事前の食物経口負荷試験で
症状誘発閾値を確認した後に原因食物を医師の指導のもとで経口摂取させ、閾値上昇または脱感作状態とした上で、
究極的には耐性獲得を目指す治療法」とする。
のように書かれていますが、この文章そのままの解釈だと、「基本的には、経口免疫療法を適切に実施すれば
多くの症例において閾値が上昇し脱感作状態となるが治ることは少ない。」ということですし、私もそう思います。
実際には、様々な年齢、食品、状況の患者さんがいて、安全性を考慮しつつ微量から摂取していただいた結果
食べられるようになる症例を数多く経験します。しかし、どこからが経口免疫療法と言えるのかなど、いちいち線を
引くことは困難なので、とりあえずは、安全性を担保すること、少しでも多くの量を食べられるようにしてあげること、
この2点だけを考えるようにしています。
*以上は、私の考えをつづったエッセーに過ぎません(汗)。
実際の治療は主治医と話し合って決定していただきたいと思います。