アレルギー性鼻炎は、鼻に入ってくるダニや花粉に対しアレルギー反応を起こし、発作性で反復性のくしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状を引き起こす病気です。平成16年の文部科学省調査においては、児童生徒のおよそ10人に1人がアレルギー性鼻炎を有するという結果であり、決してまれな病気ではありません。特に、小児のアレルギー性鼻炎はダニ・ハウスダストなどを原因とする通年性のものが主体で、一年を通して症状がみられることが多いです。さらに最近では小児でも、スギ花粉症を中心に季節性のアレルギー性鼻炎が増加していると言われています。
保護者は子供たちの鼻症状に対する関心が高くないことが多く、同じアレルギー疾患でも気管支喘息やアトピー性皮膚炎などに注意が集中する傾向があります。しかし、連続して出現するくしゃみや鼻水は非常に煩わしいものですし、夜間の鼻症状による寝不足が続けば日中のイライラ感や集中力低下にもつながります。また、いったん発症したアレルギー性鼻炎が自然に治っていくことは少なく、長期間にわたって患者さんの生活を煩わせると考えられています。このような理由から、小児のアレルギー性鼻炎はしっかり治療・管理すべきであると考えられます。