食物アレルギーの治療において、まだまだ「除去食」が中心になっているという状況は変わらないように見えます。症状が出た食品はもちろんのこと、血液検査陽性の食品は全て除去を指示されますし、鶏卵などはこの20年近くずっと悪者扱いされてきました。今や、普通の赤ちゃんでさえ、鶏卵を与えられていない時代になってしまったのです・・・。
食物アレルギーのガイドラインに、「正しい原因アレルゲンの診断に基づいた必要最小限の除去食」という表現が書かれています。「食べられるものはなるべく食べて、除去は最小限にしましょう。」、「無駄な除去はやめましょう。」という意味だと思います。
しかし、実状はどうでしょうか? いまだに専門医でさえ、除去に偏った指導をしているようにみえます。とにかく、医師によって「必要最小限」の範囲が違いすぎるのです。
まあ、科学的根拠に基づいてきっちりやろうとすると、余計に難しくなる。それが、我々の仕事のやりがいのある部分でもあり、つまらない部分でもあり・・・。