子どものアレルギー性鼻炎は、必ずしも少ないとは言えず(平成19年に文部科学省から公表された調査結果では小学生~高校生におけるアレルギー性鼻炎の有病率は9.2%)、低年齢化などの問題もあり、もっと注目されるべき疾患であると思われます。子どもたちは、鼻水・鼻づまり・鼻の痒みなどにより集中力が低下したり、睡眠が障害されたりします。また、鼻をいじるために鼻出血が出やすくなることもあります。
小学生くらいになると、空気を吸い込めなくなるほどに鼻の粘膜(下鼻甲介)が腫れ上がり、左右の鼻腔をしきる壁(鼻中隔)まで塞がっているような患者さんは少なくありません。そこに湧水のような水様透明な鼻水が付着しているお子さんも見かけます。
お薬を使用すれば、それなりに症状が改善しますが、アレルギー性鼻炎という病気そのものは治りにくいという性質があります。やっかいなアレルギー疾患です。