皮膚萎縮(皮膚が薄くなること)や皮膚のバリア機能低下をきたさないような
ステロイドの使い方とは何か?
やはり、ステロイドは連続して使い続けることに問題がありそうです。
そこで、まずは湿疹の程度に見合った強さのステロイドをたっぷり使い、見た目の皮膚を
つるつるスベスベの状態にします。何度も言いますが、ステロイドを止めるためにたっぷり
使うのです。
そして、ここですぐにステロイドの使用を中止するのではなく、塗る日の間隔を徐々に長くして
いきます。いわゆるプロアクティブ療法という治療法です。
注意していただきたいのは、この時点では既に”ステロイドを毎日塗っているわけではない”
ということです。
少々古いですが、”Glucocorticoid therapy-induced skin atrophy”(Exp Dermatol. 2006 Jun;15(6):406-20.)という
文献では、塗り薬のステロイドによる皮膚萎縮を防ぐには、intermittent treatment schedulesで対応するのが良いと書かれて
います。 ”intermittent (間欠的)”とは、まさにプロアクティブ療法の塗り方を指しています。
とにかく、弱いステロイドをだらだらと使い続けるとか、塗ったり止めたりを繰り返すとか、そういう使い方が一番
良くないのです。 ステロイド皮膚症という状態はないわけではない・・・・、もっとステロイド忌避に陥った患者さんの
気持ちにも寄り添うべきでしょう。
デュピクセント®は我々にステロイドの使い方を再確認させてくれたのです。