喘息患者さんの治療において吸入療法という作業は重要な位置を占めると思われます。発作時には気管支拡張薬(β2刺激薬)を吸入することが必須ですし、予防的な治療(長期管理)では吸入ステロイド薬が中心的な薬剤となっています。これらの薬剤は正しい方法で効率よく吸入することによって十分な効果を発揮するものですが、不適切な手技で吸入を行っている患者さんをしばしば見かけます。
ネブライザー、pMDI(加圧式定量噴霧式吸入器)、DPI(ドライパウダー式吸入器)など器具の違いによって吸入の方法が変わってくるので、それぞれの吸入機器の特徴や利点・欠点について十分習熟しておかなければならないと肝に銘じています。
誰が吸入指導を行うのかという問題もあります。医師か、薬剤師か、看護師などの医療スタッフか・・。私はできる限り自ら患者さんに吸入指導を行うように努めていますが、医師以外の医療スタッフも吸入療法に精通できればより質の高い医療が行えるものと思っています。