果物や野菜を摂取して、喉がイガイガしたり、口の中が痒くなったりする症状が出る人がおり、口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome;OAS)と呼ばれています。OAS症状だけで言えば、鶏卵や甲殻類、ナッツ類などでも訴える患者さんは少なくないです。
サクランボでOASですか? サクランボは、バラ科の果物であり、リンゴ・モモ・ナシ・アーモンドなどもバラ科です。シラカンバ花粉(カバノキ科)とバラ科の果物の間に交差性が認められますが、関東・東海だとハンノキ、関西だとオオバヤシャブシなんかがカバノキ科の花粉となります。
まず、シラカンバ(あるいは、ハンノキ・オオバヤシャブシ)花粉症となり、それからバラ科果物でOASを発症してくるという流れです。シラカンバ花粉症のOAS合併率は30-50%くらいと報告されており、シラカンバ花粉特異的IgEが高値を呈する患者さんほどOASの合併頻度も高まります。
私が採血で花粉のIgEをチェックするときは、スギ・ヒノキ・カモガヤ・ヨモギと並んで、ハンノキを項目として加えるようにしています。