「そんなこと言われてもちょっと食べただけで症状が出てしまうのです」
まあ、様々なケースがあろうかと思いますが、増量についてもちょっと意見を
述べさせて下さい。
自宅で、
「週に〇〇倍増量」とか、
「無症状が〇〇日続いたら、△△倍増量」みたいな指示は
よくある方法です。
これは一つの工夫された方法だとは思いますが、こういう直線的な増量の場合、
突発的なアレルギー症状の出現は不思議でも何でもありません。
赤ちゃんの早期摂取においては、そのようなリスクは低いのですが、幼児期以降に
開始された経口免疫療法では、しばしば起こることのようです。
症状が出ると限りなく危険であるとか、そういうことを言うつもりはありません。
食物によるアナフィラキシー死が極々稀であることも事実です。
しかし、身体では特異的IgEが産生されると考えられますし、心の面においても
不快感、不安、失望などのマイナスの感情が働くことは間違いありません。
つまり、治る方向に傾いていかないわけです。
当院では、原則として自宅での増量は行っておりません。
少量を食べ続ける・・・・・・・、これで症状を出さずにたくさん食べられるようになるのです。