浜松市の小児科・アレルギー科

アレルギー疾患の症状をコントロールする方法についてはかなりの進歩がみられているということになっています。特に、喘息における吸入ステロイド薬は非常に優れた治療薬であります。しかし、この薬を用いたとしても喘息が容易に治ってしまうわけではなく、もしかしたら吸入ステロイド薬は非常に優れた対症療法にすぎないのかもしれません。
さて、患者さんはよく、｢ステロイドなどによるうわべだけの治療ではなく、根本的な体質改善のような治療を受けたい。｣と訴えられます。しかし、一方で、アレルギー性鼻炎に対する減感作療法（抗原特異的免疫療法）のような治すことを目指した治療法が普及しないのは不思議なことです。治療効果に対する不安があるのでしょうか、注射を反復することに耐えられないのでしょうか、頻度は低いもののアナフィラキシー反応などの可能性があることが障壁となっているのでしょうか･･･。
食物アレルギーにおける経口減感作療法も注目されています。いずれの免疫療法においても重要なことは、安全かつ確実であること、苦痛を伴わないこと、費用がかからないこと、比較的短期間で効果が得られることなどが挙げられるでしょう。また、医学的に重要なこととして、ただ単に良い結果が生まれるだけでなく、どうしてその治療法が効くのか（機序）が解明されることが必要でしょう。