この2-3年の間には、テレビ放送において食物アレルギーを話題にする番組が増えてきました。
NHKでも、たびたび放送されていますが、一昨年、「“食物アレルギー”本当は食べられるのに…」という番組がありました。
この中で、
「国が“標準的”な検査としている『食物負荷試験』。
しかし、多くの患者が、この検査を受けることができていません。」
「食物負荷試験を巡っては、症状が重い子どもを検査できる医療体制が整っていない問題もあります。ショック症状などの緊急事態が起きた際に対応できる医師や看護師を、複数確保するのが難しいからです。」
という解説がありました。
まだまだ、地域によっては、食物経口負荷試験(以下、負荷試験)の普及は十分ではないのですね。その理由として、「ショック症状」とか、「緊急事態」とか、怖い言葉が挙げられています。
負荷試験は、十分に慎重に取り組んだとしても、それなりのリスクを伴う検査であることは確かです。しかし、今後我々専門医に求められるのは「どうしたら安全に実施できるのか?」という工夫ではないでしょうか?
ガイドラインにも、「緊急対応の可能な体制を整備して実施する」という記載があり、当然の備えであると考えられますが、負荷試験の方法自体も見直す時期にきているような気がします。
危ないからどうのこうのということではなく、「危なくないようにやる」ということです。
アナフィラキシーを回避したいのです。