日本アレルギー学会など10団体、早期摂取の利益に理解求める(m3.com 臨床ニュースより)
日本アレルギー学会など世界10団体は6月10日、ピーナッツアレルギー予防に関するコンセンサスステートメントを発表した。乳児の離乳時期になるべく早くピーナッツを摂取する方が有益とのエビデンスを紹介し、早期摂取への理解を求めている。同学会はステートメントの全文と日本語の要約をホームページに掲載しており、日本での積極的な早期摂取については「これからの研究課題」との見解を示している。
ステートメントを発したのは、日本や米国、豪州、欧州、カナダ、イスラエルなど10の団体。日本語要約によると、ステートメントでは乳児の離乳時期のピーナッツ摂取を、遅くではなく早く開始する方が有益と示すエビデンスを紹介している。
その1つとして掲げた、ハイリスク乳児に対するピーナッツ摂取のランダム化比較試験「LEAPスタディー」では、4-11カ月児の頃にピーナッツ摂取を始めると絶対的値で11-25%のピーナッツアレルギーが減少、相対的には80%減少したとの結果が示された。同ステートメントの目的は、これらの結果を考慮した上でピーナッツ早期摂取による利益に対する医療関係者の理解を促進させることにあるという。
ただし、日本アレルギー学会は日本語要約の注釈で、アトピー性皮膚炎がある場合は家庭のほこり1gあたりのピーナッツ蛋白量が16μgを超えるとピーナッツアレルギーの発症リスクが高まるとの報告に言及し、「日本で離乳早期にピーナッツを積極的に摂取すべきかどうかは、これからの研究課題」と付記している。
「ピーナッツアレルギー発症予防に関するコンセンサスステートメント」