アトピー性皮膚炎に使用する抗炎症作用を有する外用薬としては、ステロイド外用薬が中心的な位置づけを担っていますが、もう一つの武器としてプロトピック軟膏(一般名:タクロリムス水和物)もあります。プロトピック軟膏に関しては、「発癌性があるのではないか」とか、「少しでも日光に当たってはいけないのではないか」などの点が問題視されていましたが、現段階ではこれらの問題についてはやや誤解が大きいということになっています。
これまでプロトピック軟膏は皮膚科領域の製品ラインナップが少ないアステラス製薬から製造販売されていましたが、アステラス製薬からマルホへ日本におけるプロモーション活動を2011年4月1日から委託、また日本における販売権を2014年4月1日から移管することで合意されています。
マルホは患者さんにもお馴染みのヒルドイドをはじめ皮膚科領域で存在感を発揮している会社であり、より多くのアトピー性皮膚炎患者のQOL向上が期待されます。
プロトピック軟膏には成人用の0.1%と小児用の0.03%の2種類があります。我々小児科医にとっては、この0.03%の適切な使用法が整理されていくことが望まれます。アトピー性皮膚炎のお子さんのどの部位に、どれくらいの期間塗布していくのか、ステロイド外用薬との使い分けはどうするのか、など知りたいことはたくさんあるのです。