友人の田中先生(すこやかアレルギークリニック)が8/21のブログで食物経口負荷試験に対する考え方を述べています。
「意味ないじゃん」なんてことは、全くないと思いますよ。一つの素晴らしい方法であるはずです。
私は、「アグレッシブな負荷⇒アナフィラキシー(ショック)⇒重症だ、危険だ⇒完全除去続行」という構図の方が、よっぽど意味がないと思っています。
この10年間、食物経口負荷試験は患者さんに多くの貢献を果たし、我々医師にも多くのことを学ばせてくれました。しかし、今後は少しずつ方法が変化していっても良いのではないかと感じています。患者さんの想いにも応えていく必要がある・・・。患者さんは、アナフィラキシーは起こしたくないし、それでいてなおかつ、少しでも食べていきたいのです。
明日からも、一人の無能な医師は頑張りますよ。
『負荷試験は、食べさせて症状が出ることで、その患者さんの食べられる量が判明することになります。当院がやっている加工品の負荷試験だと、一定量を食べて症状が出ようが出まいが終了にしています。
となると、食べ終わっても症状が出なければ、その子の限界である「閾値」は分からないことになります。どれくらい食べられるのかは、分からないままと言うことになります。
それでは「意味ないじゃん」と思うかもしれませんが、少なくとも加工品をその時に食べられた量なら、安全に食べられることが判明している訳ですから、限界まで攻めた訳ではないけれど、安心感はあります。意味は十分あると言えます。
そうやって抵抗感なく食べ続けることで、食べられる量が増える可能性があります。それも大切ですが、本人もしくは親御さんに「少しでも食べられるんだ」という勇気を与えることを重視しています。
閾値は分からなくても」前向きに食生活に取り組んでいけることになると思っています。限界まで攻め込まないから、アナフィラキシーショックのリスクは相当少なくなっており、こういう考え方が専門でない先生に広まってくれればいいなと思っています。』