土曜日に静岡市で喘息の研究会がありました。吸入ステロイド薬の使用状況、喘息コントロール状態の評価、小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012(JPGL2012)の改訂点などが話題になりました。
吸入ステロイド薬については、数年前と比較すると小児領域においてもかなり普及してきているという結果が示されました。必ずしも全ての症例に使用しなければならないような薬剤ではありませんが、最も抗炎症作用が強力であり、現段階においては長期管理薬の中心となる薬剤であることは確かでしょう。
印象に残ったのは、「的確なコントロール状態の評価」です。簡単に言えば、患者さんの調子がどのくらい良い状態(あるいは良くない状態)にあるのかを正確に判断・評価することになります。当然、医師は外来で喘息の患者さんの診察を通してその調子を判断したり、薬の種類や使用量を調節したりしているわけですが、『調子が良さそうだ』とか、『状態が悪い』とか何となく評価するのではなく、どのような点がどの程度達成できているのかをより具体的、客観的に評価しなければいけないということです。
例えば、運動や大笑いの後の咳が週に(あるいは月に)何回くらい認められたか?、睡眠が制限されるような状態がどのくらいの頻度で認められたか?、発作を抑えるための吸入薬(吸入ステロイド薬ではなく気管支拡張薬ですよ)をどのくらい使用したか?、などの項目をしっかり評価していく必要があるということです。