患者さんが軟膏を塗ることをためらってしまうもう一つの原因は、ステロイド外用薬に対する恐怖心や不信感があります。私はよく以下のような例え話を用いてステロイドについて説明しています。どこの家庭でも包丁やカッターなどの刃物が一つや二つは置いてあると思います。これらは一歩間違えれば凶器にもなり得るものです。なぜこんな危ない物が一般家庭に持ち備えられているのでしょうか?当然のごとく、これらの物品は生活に必要なものであり、使い方さえ誤らなければ非常に便利なものだと理解されているからです。ステロイドも包丁のようなものです。間違った使い方をすれば副作用がでる可能性もありますが、医師の指示通り適切に使用すればこれほど有効な薬はありません。我々医師も、患者さんのステロイドに対する不安を取り除いてあげる努力が必要ですし、また、専門の医師ほどより少ない量のステロイドで治療を行う努力をするものです。