発作時の受診のタイミングを知るためには、まず喘息の発作の程度を正しく見極めることができるようになる必要があります。小発作だ、中発作だと難しく考えるのではなく、要は「軽いのか、重いのか?」がわかればよいのです。
なるべくシンプルに考えましょう。結局、通常の生活が保たれている発作レベルならそんなに重くはないわけです。つまり、話す・食べる・笑う・遊ぶ・走る・眠るなどの行為ができているなら、多少咳込んだり、ゼーゼーいったりしていても小発作と考えてよいでしょう。上記の行為が障害されてきたら発作の程度が重くなってきたと考えればよいのであり、救急受診の目安となります。
注意点を挙げるとすれば、1)ヒューヒュ・ゼーゼーの音の大きさだけに注目しないで下さい。ゼーゼーという音があまり大きくなくても、発作が重い場合があります。気管支が狭くなり空気が流れなくなってくるとむしろ音が小さくなるのです。2)学童~成人の重症の患者さんの場合、かなり呼吸が障害されていても、あまり苦しそうな表情をせず、平気な顔をしている場合があります。これは発作に慣れてしまったかなり危険な状態です。普通なら苦しいと感じるはずの状態を苦しいと思わなくなってしまう患者さんがいるのです。このような患者さんには厳重に予防的な治療を行う必要があります。
なお、発作が軽ければ家庭で対応できることが多いのではないかという意味の話であり、決して、発作が軽いときに受診してはいけないということではないので誤解しないで下さい。