アナフィラキシーで緊急受診した患者さんに対する治療は十分でしょうか?
特に、アドレナリン(医療機関であればボスミン)の投与が適切に実施されているかどうかは気になるところです。
「ゼーゼーしてぐったりしていたが、ボスミンは打たなかった」という話はよく聞きます。「点滴とアタラックスPの注射をした」、「点滴と気管支拡張剤の吸入をした」や「念のため1泊入院した」などがありますが、いずれにせよボスミンが使用されていないことが多いのです。
もちろん全てのアナフィラキシーに対してボスミン投与の適応があるわけではありませんが、1泊入院するくらいならまずはボスミンではないだろうかと思うのです。
昭和大小児科の今井孝成先生が医師を対象にアンケートを実施しています(図)。
「医師がアドレナリン投与のタイミングと考えたアナフィラキシー臓器症状」についてのアンケートですが、循環器(血圧低下など)と答えた回答者が74.8%、喉頭(気道閉塞感など)は70.0%にとどまっていました。このアンケートに回答した医師674人のうち、エピペン処方登録医師は581人(86.2%)とのこと。エピペンを処方している医師ですら、投与のタイミングをきちんと把握していないようです。