春らしくなってきました。東京都内では桜が開花したとのことです。
例年のごとく、この時期になると赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の初診患者さんが増えてきます。軽症の段階で「アトピーかも?」と心配して受診して下さる方、全身に湿疹が拡大して困り果てて受診される方など様々です。
未だに少なくないのが、患者さんのステロイドの塗り薬に対する強い不安です。
多少の不安であればあって当然かもしれませんし、医者である私だって全く不安がないわけではありません。しかし、赤ちゃんが痒がって眠れなくなっているにもかかわらず、「できればステロイドは使いたくない」というのはどうでしょうか。重症化しないうちに何とかしてあげなければいけないでしょう。
ステロイドについてどこがどのように不安なのかを具体的に聞いてあげなければいけないと考えています。過去にステロイドが社会的に叩かれた時代がありましたが、どうしてそんなことになってしまったのかを説明しなければなりません。アトピービジネス(アトピー性皮膚炎の患者さんをターゲットにする悪徳商法を指す言葉)はステロイドへの恐怖心を煽るのが手口ですから厄介な代物であり、これについても述べておく必要があるでしょう。最後に、適切な使用法について説明します。
結局、使い方次第ということなのでしょう。正しく使用すれば効果の高い非常に優れた薬なのです。ただ、使いこなすことが難しいのかもしれません。ある意味、医者のこれまでのステロイドの使い方が患者さんを不安にさせてきたとも言えます。