肺の病気を患っている患者さんでは、やはり肺の機能というものが気になります。空気の出入りが問題なく行われているのかを調べるわけです。当院の場合だと、学童以上のぜんそく患者さんが主な対象となります。
一般的に行なわれているのはスパイロメーターという機器を用いる検査です。マウスピースをくわえて息を吐き出してもらうのですが、ゆっくり吐き出して計測する方法と、一気に吐き出して(努力呼出)計測する方法があります。この一気に吐き出したときに得られるフローボリューム曲線のパターン分析は視覚的に判定できる利点もあり、呼吸器専門医やアレルギー専門医にとっては非常に重要な検査法となっています。
喘息の診断や治療、経過観察に呼吸機能検査が不可欠ですが、日本ではあまり行われていない現状があります。全国喘息患者電話調査(AIRJ)という調査で、「呼吸機能検査を一度も受けたことがない」と回答した喘息患者さんの割合をみると、2005年の時点で成人で57%、小児で84%という結果でした。
さほど時間を要することなく多くの情報が得られる検査です。もう少し普及してもよいのではないかと思います。